「責任」
会社が銀行から融資を受ける場合、借金をするのは会社ですが、社長が個人保証する場合が多くあります。上場企業などの一部を除く多くの会社の代表者が連帯保証をしているのが現実です。会社という法人の借金なのですが、社長個人が返済に責任を持つということです。
ビジネスの世界では、最終的にはお金に関して責任を持つということが「責任」の最終的なあり方ということです。
仕事の責任は、お金だけではありません。お客様との約束を守るということに対して責任がありますし、プロジェクトを成功に導く責任ということもあります。さまざまな責任があります。
「『ヤクニン』は、極度に事なかれで、何事も自分の責任で決定したがらず、ばくぜんと『上司』ということばをつかい、『上司の命令であるから』といって、明快な答えを回避し、あとはヤクニン特有の魚のような無表情になる。」と書いているのは司馬遼太郎です。これは幕末の役人を記述した部分なのですが、いつの時代も似たようなことがあるのですね。
日本では、このように昔から責任があいまいにされていることが多いようです。
仕事は、多くの人の協力関係の中で成り立っていますから、特定個人の責任に帰する部分はそれほど多くないという現実はあります。だから、「上司が決めたこと」「会議で決まったこと」という責任回避が行なわれる素地はあるということはいえるでしょう。
しかし、自らに責任があるということは本人が一番わかるものです。周囲の人たちもわかっています。責任を明確にすべきところで責任を逃れようとする姿勢や態度を取ることは、それまでの信頼を一気に失う危険をはらんでいるといえます。
就職先を探すときに、待遇面など気になることはたくさんあるでしょうが、給料をもらうわけですから責任もついてきます。今の内に「責任」ということも考えておきましょう。
以上
土屋 正五郎(つちや しょうごろう)
中央大学商学部卒業
外資系コンピュータ会社、大手メーカー勤務を経て、コンサルティング会社 アンサーエスシィ を設立。
情報システム、営業、マーケティング、人事総務、IRなど、多方面の業務に携わった経験から、多数の企業において総合的なアドバイザーとして活躍している